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出資してもらう事は怖いことではない。起業を目指す人が知っておくべき資本政策5つのパターン。(2)

5)創業者が実質自己資金ゼロで、数%の株式を所有するシリコンバレー流スタートアップ(支配力×、成長速度◎)

死ぬほど仕事して爆発的な速度で会社を成長させて、社会に大きなインパクトを与えたい人向き。

候補となる投資家は、主にイクジット(株式の売却で利益を得る)を目的としたシーズインキュベーター、ベンチャーキャピタル、エンジェルだ。

 
お金は無いが実現させたい事業アイデア、行動力、強い想いがある人に向いている。ポイントは自己資金がゼロで株式を持てるという点だ。株式と給料や役員報酬との最も大きな違いは税率だ。日本ではキャピタルゲイン(株式の売却による収入)に対しては20%だが、給料や報酬に対しては最大45%となっているので、いわゆる資産を増やしたい人は、給料ではなく、キャピタルゲインで収入を増やした方が有利となっている。
シリコンバレーでは完全にエコシステムができており、FacebookTwitterDropBoxなどは、事業レコードが無いシーズステージ(事業の企画段階)でまず数百万円ぐらい資金をシーズインベスターから得てプロトタイプをつくり、その次のラウンドでベンチャーキャピタルや事業会社から数千万円〜数億円調達して爆発的に成長させるパターンだ。
 シーズインベスターのスキームは、転換社債Convert Notesまたは転換株式Covertible Equityを使っている。特殊な仕組みだ。例えば、創業者に11円、1000株で資本金1000円の会社を設立してもらう。次にシーズインベスターは1000円の現金しかない会社に対して事業計画書などのビジョンで数千万円の価値があると評価して、500万円の転換社債Convert Noteまたは転換株式Convert Euetyで投資する
プロトタイプやベーター版ができた段階で、さらに投資をするためにベンチャーキャピタルや事業会社から数千万円〜数億円程度の資金調達をするというのが一般的なパターンだ。このタイミングで500万円投資したシーズインベスターの持ち分は実質的には10%程度となり、1000円しか投資していない創業者は90%程度となる。
     
CNCEについて少しだけ補足すると、基本的には同じ仕組みとなっており、CNが社債(融資)であるのに対してCEは株式である点だけが異なっている。

いずれも、シーズ投資タイミングでは、株式のシェアを決めない。つまり、創業者は実質99%程度のシェアを持っていることになるが、会社法とは別に契約で大きなアクションをするときには、承認をとる事が求められたり、毎月数値報告を義務付けられたりする。

次の調達ラウンドで、投資金額に応じて投資家のシェアが決定されることになるが、着地としては5%〜10%ぐらいだ。残りを新しい投資家と創業者が握ることになる。ちなみに創業者は、最終のラウンドでは51%どころか、35%も切って一桁ぐらいしかシェアが無い状態となるケースも多い。議決権としての支配力はまったく無いが、自己資金ゼロ、リスクフリーでやれる事、大規模な調達ができる事によって爆発的な成長や黒字化に時間がかかる資金需要が大きい事業もできる。創業者は、社長を解雇されたりするリスクもあるが、そもそも他人のお金で勝負しているので、その点は割り切るべきだろう。

特に強調しておきたいのが、実質的には、創業社長の力は絶大で、会社が成長している状態で切るメリットは投資家には無い。投資家は支配したいのではなく会社を成長させて投資のレベレッジを大きくしたいだけなので解雇するのは社長の能力が限界に達していると評価した時だけだ。

投資先が成長してくれる事を期待して投資するので、社長の法的な支配力とは別に、実質的な能力の方がよっぽどインパクトが大きい。会社を成長させてくれる社長には、永遠に社長の椅子にすわって、無限に事業を拡大していって欲しいという事はしっかり理解しておくべきだ。

たとえ、シェアが数%でも時価総額が大きくなれば、個人的に借金するわけでもなく、リスクフリーで億単位のキャピタルゲインが得られることは珍しく無い。まさに、アメリカンドリームの絵である。シリコンバレーに集まる人起業家はほとんどこのパターンを狙っている。気にしなければならいのは、自分の持ち分シェアではなく、誰から出してもらったお金なのかという点だけだ。

 起業を目指す人が知っておくべき資本政策の話し。その1に戻る。

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