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数人規模のベンチャーPebbleがSONYに勝てた理由。〜クラウドファンディングが鍵を握ったスマートウォッチ戦争〜

DSC_0062米国西海岸のパロアルトを拠点としたテックハードウェアスタートアップのPebble。iOSとAndroidの両方に対応したスマートウォッチメーカーだ。2009年にブラックベリー対応からスタート。2011年スマートウォッチ向けSDK開発しエンジニアから1,500以上の問合せがあり、2か月で100以上のスマートウォッチ用アプリがアップされる。2011年後半にはアーリーアダプターのコミュニティの関心を引き付け1,500台販売。2012年世界最大のCF(クラウドファンディング)Kick Starterでわずか30日間で8,500人から1,000万ドル(約11億円)の調達に成功。社員数わずか12人の時代だ。現在は社員数120人。SDKを使ったデベロッパーは18,000人。アプリ数5,000。世界140か国で販売。2013年1月から販売を開始して2014年3月の14ヶ月で、40万台、6,000万ドル(約64億円)を売上げた。
同時期2012年4月にSONY MobileがSmart Watchの販売を開始した。ちなみにSONYは2010年の年末にLiveViewという名称で既に発売していた。

Strategy Analytics社によれば、2014年Q1のスマートウオッチの出荷台数及びシェアは1位のサムソンに次いで、PebbleはSONYと同2位で、出荷台数8万台、シェア11%。3位がMotorolaとQualcomが、1万台との事。わずか数人規模のベンチャー企業が敷居が高いテックハードウェアで大企業と肩をならべて堂々2位に食い込んだのだ。pebble

興味深いのは、PebbleとSONYの比較でPebbleがiOSとAndroidの両方に対応している事以外で、質感、価格、機能、デザイン、利便性など優位性を持っている点は見つからないという点だ。個人的には商品性としてはむしろSONYの方が洗練されていて優れているような印象さえ受る。つまりPebbleがSONYに勝っている点は商品性ではないという事だ。

あくまで、結果論で、Pebbleも無意識での行動だと思われるが、CFを軸にしたSMM(戦略的市場マネジメント)がSONYに勝る効果を生んだと考えられそうだ。
CF掲載による効果は、前金での予約販売型の資金調達に加えて”先行提供によるアーリーアダプターの満足度の向上”、”ロイヤリティーが高いコミュニティの醸造”、さらに手間と時間をかけずに、自宅で気軽に支援、参加ができる”ゲームフィケーションチックなユーザー体験の提供”だ。
これは従来の広告・広報・販促活動では得られない効果だ。鍵を握っているのは徹底したガラス張りによるオープン化だろう。Pebbleの成功は、SMMとしてのクラウドファンディングの効果が最大化された事例として非常に興味深い。

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