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アップルが持っている圧倒的な4つの強み〜家電メーカー2.0〜

PN2011122301001066.-.-.CI0003NHKでサンヨー電機の井植敏元会長のインタビューを見た。創業者井植歳男氏の長男だ。2012年1月に1947年から65年間続いた全国の”SANYO”の看板が”Panasonic”に変更され、寂しそうだった。
個人的にも学生の時に、安くて良いサンヨー家電には大変お世話になったので残念だ。
サンヨーの敗因と対象的に大躍進しているアップルと比較すると家電メーカーが進むべき道がよく見える。
アップルとサンヨーでは大きな違いが4つある。

 

1)アップルはビジネスそのものをのグローバルな視点でモジュール化し構成しているのに対して、サンヨーはほぼローカルでの自前主義のインテグラル型になっている。
インタビューの中で、井植敏氏が”中国の家電大手ハイアールの存在を知らなかった。”といった言葉が印象的だった。
日本を代表する巨大家電メーカーサンヨーの幹部にグローバル化を意識している人材がおらず、躍進しているハイアールの存在に気付かず、2011年にはハイアールに事業譲渡する結果となったわけだ。
アップルは、部品は日本、組立は中国、販売先は世界トップのキャリア達で、自分達は、企画設計とソフトウェア開発だけに特化するといったビジネスのモジュール構成が最適であるという回答を出している。ビジネススキームをグローバルにモジュール化しているのだ。全て自前主義で閉じたイングラルなビジネススキームとなっているサンヨーとは対照的だ。つまり、グローバル化とは、単に海外に進出する、輸出するという意味ではなく、地球を俯瞰的に見て、自分たちの立ち位置を、リポジションニングし、グローバルな視点でビジネスをモジュール化し選択と集中を判断し常に再構築し続けるという意味だ。

 

2)サンヨーはモノをつくって売るといった伝統的なハードウェアメーカーであり、モノこそが主役であるのに対して、アップルはハードウェアメーカーではない。クラウドに接続されたハードウェア端末を使ったクラウドサービス会社である。アップルのハードウェアは、クラウドに接続できない状態では、価値が半分以下となる事からもわかるようにハードウェアはあくまで、サービスの一端を担うために必要なパーツに過ぎないといった考え方だ。クラウドサービスは、継続的な課金がしやすく、収益としの安定性と、顧客の囲い込みがし易いという特徴がある。
実はこの考え方は最近注目されているいわゆるIoTそのものなのだ。つまり、アップルは爆発的な市場の拡大が予測されている注目市場の先駆けになっているというわけだ。

 

3)アップルは24時間安い人件費で運用されている世界最大の生産能力を持っている中国のフォックスコンを使う事(EMS)によって、ボラタリティの高い需要に応じた生産量のコントロールを行い、ロスと機会損失を最小にしている。対してSANYOは自社工場なのでボラタリティの高い需要への対応が難しい。家電は技術革新が早いので、短いスパンでバージョンアップをしていく必要があり、新バージョンリリースの情報が流れただけで、古いバージョンアップは圧倒いう間に売れなくなる。この短いライフサイクルに適応させるための答えがグローバルの視点でのEMSなのだろう。

 

4)サンヨーの製品はほとんどが、枯れた技術をつかい、そこそこのデザインとそこそこの使い勝手が良いUI(ユーザーインターフェイス)となっているのに対して、アップルはUI設計の前に、ユーザーに今までにない心地よい経験をさせるためのイノベーティブなUX(ユーザーエクスペリエンス)からしっかりと設計されており、最高の結果をもたらすために、必然的に必要となるデザイン、素材、使い勝手を妥協せずに設計している。クラウドサービス会社といっても、モノに対して強いこだわりを持っており、持つ人に他社製品を圧倒する満足感を与えているのだ。全盛期のソニーと似ている。

 

結果として、看板をはずされたサンヨーとは対照的にアップルは高い営業利益率を確保して、時価総額で世界No.1の座を獲得したというわけだ。
アップルの成功から導き出された5つのキーワード、モジュール化、IoT、グローバル化、EMS、UXが、次世代を担う家電メーカー2.0の鍵となりそうだ。

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