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CEO Blog 山瀬明宏のブログ

残酷な資本の世界。〜14年間育ててきたモノが一瞬で消える〜

DSC_1009先週、久しぶりに某ベンチャーの社長と再会。新橋で食事。彼は14年前に創業してグローバルに成長させ、月に5日間ぐらいしかいない東京在住期間中にも、深夜に顧客からのクレームにも対応するといった多忙な日々を過ごしていたとのこと。14年間で乗り越えてきた数え切れないアクシデント話で盛り上がった。


その彼の開口一番の言葉が、「昨年社長を解任されたんですよー」だった。


彼は100%オーナーなので、解任されるはずがない??と脳裏をよぎったが、数年前に資金繰りのピンチが来て、ファンドから利益コミットを紐付けた資金を入れてしまい、僅かにコミット値に到達できずに、その結果として70%の株式を支配され、解任されたというわけだ。


ロジックのイメージとしては、最初25%の比率でのファンドから100億円の出資を受ける。つまり企業価値としては400億円。バリエーションは純資産ではなくDCF。ただし想定した数値に届かなかった場合には、違約として追加で45%の株式を渡す条項付き。ファンドの目論見通り、わずかに数値が足りず株式を奪われてファンド側が65%以上となり特別議決を持たれ社長を解任され残った30%の株式も二束三文で剥がされたいった具合だ。


計画や目標として未来の数値をつくりコミットするのは必要な事だが、違約条項まで入れるのは資本の世界だけだ。
実業は想定外のトラブルがつきものだ。机上の計画通り行くはずが無い事はあらかじめ織り込まれてたりする。


お金には色がある。同じ相手でもタイミングによっても色は変化する。
彼が入れたのが、感情がなくドラスティックに短期で利益を追いかける性格が高いファンドだったこと。おまけに不運にもそのファンドが運用がうまくいっておらず、強い回収フェーズタイミングも重なっていた。資金としては最悪だ。
解任後2ヶ月は毎日飲みまくっていたそうだ。14年後の長期休暇の意味合いもあると思うが。
関係性がしっかりできている知人やエンジェルから引っ張れば違った結果となっていた可能性があったはずだが、現実問題として、ファンディングも縁とタイミングで決まってしまうので、選択肢など無かったのだろう。


もっとも、彼は身ぐるみ剥がされたが、今まで培ってきたら人脈、ノウハウなどの強力な武器を持っているからだろうが、車やワインのウンチクを雄弁に語っていた。
人生何が起きるか、ホントにわからないなと改めて実感すると同時に、どんな状況でも生きていける強さが必要だと感じた。


まったく潰れそうにも無い強靭の精神を持った彼は必ず再起すると確信した夜だった。

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